狛犬を訪ねて№23・①白河市から矢吹町へ ②へ ③へ
白河市の神社と狛犬・庭渡神社・根渡神社・八幡神社
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白河市萱根・庭渡神社狛犬吽像・昭和5年(1930年)関根沼石(国三)*禁・無断転載
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仕事が多忙で2か月ほど県境の村を訪れる事が間々なりませんでした。何度かの台風の影響にも気をもみましたが雑草に覆われているであろう庭が案じられて仕方がありません。思い切って9月9日の夜、街をたって秋の気配が感じられる県境の村を訪れました。闇夜の中、浅茅が原状態の庭の前に立って呆然としてしまいました。
10日の早朝から、野菜と果物の買い出し、その途中の狛犬巡り、帰宅しての草刈りとくたくたになるほど体を目一杯に動かしました。狛犬巡りのルートは、今までもかなり私の知らない新しい神社を見つける事が出来たグーグル・マップから探しました。もう新しい狛犬は居ないのではないかと思っていた白河市周辺にも、まだまだ私にとっての新しい発見が待ち受けていて驚き興奮に満ちた巡り合いを楽しむことが出来ました。2018.09.10
◉白河市狛犬一覧とマップはこちらです。
◉白河市の石工 ◉白河市狛犬データ・ベー・ス年代別一覧表
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2018.09.10・狛犬を訪ねて№23・①白河市から矢吹町の狛犬を訪ねての神社参拝順路 |
①庭渡神社(萱根)⇒②根渡神社⇒③八幡神社(欠下)⇒④八幡神社(小田川)⇒⑤熊野神社(泉崎村)⇒⑥日吉神社(矢吹町) 9月11日⇒⑦熊野神社(白河市双石)⇒⑧天神神社⇒⑨角折神社(東形見)2018.09.10
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JA夢みなみ農産物直売所 り菜あん白河市弥次郎窪29−1。 |
県境の村を訪れる目的と楽しさの一つが地元の農産物の購入です。価格は街での半分以下、加えて新鮮で美味しい事は、買い込んでからも信じられないほどの興奮を呼びます。今回は野菜はそれ程ありませんが、大量の梨とキュウリとナスを買う事が出来ました。9日の朝の白河市・り菜庵と10日の借宿の販売店でかなり買い物が出来ました。余りの値段と品質に舞い上がって、少し買いすぎたと思ったのですが街に帰って友人に分ける事が出来て無駄にはなりませんでした。
9日朝、り菜庵(白河市弥次郎窪29−1)での買物をすませてから訪問先の住所をカーナビに入れました。今回は、グーグル・マップで探した場所を更に”マピオン”で参道の入り口地点をマップ・コードで特定してカーナビに入れたのでほぼ訪問先が全て探し当てる事が出来ました。例年の一本桜訪問時のやり方で神社がかなり問題なく辿る事が出来ました。2018.09.10
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会津街道に面するJA白河・り菜庵から薄葉の交差点で4号国道に出て北に向かいます。700m程進むと女石の交差点です。右折して市内に向かい160m程進んで左に折れると旧奥州街道に出ます。芭蕉と曽良も通った道かもしれないと思うと楽しさが増します。 2018.09.10 |
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人生を掛けた戦は沢山の悲しみと命がけの物語を後世に残してくれるようです。それも薄っぺらな物語でない事は、明治2年(石碑にはその文字が見えますが、説明からすると昭和29年に再建されたのかもしれません)に地元の人々が建てたと思われる石碑からも納得できます。碑文には志げ女愛用の丸鏡がこの女石の青木忠作と言う人が所蔵していると書かれていて、物語のリアリテイーを補足してくれます。文字が一部欠落しているので違っている場合もあります。
この地は戊辰戦争の激戦地です、多くの場所でこのような物語に遭遇する事になり、その度に当事者たちの最後が心を打ちます。吉原や投げ込み寺・浄閑寺を訪ねた事があるのでこの石碑には心を打たれます。
190m程この旧道を更に北に進むと4号国道に合流します。注意深く4号線を右折して約600m程進むと右に入る道があります、右に入って進むと蕎麦屋の”大清水”があり更に100m程進むと道路の右に鳥居と狛犬が見えます、白河市萱根の庭渡神社です。2018.09.10
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右に置かれた狛犬、口を閉じた姿から吽像と思われる狛犬。一般的な阿吽像の位置と逆に置かれているようです。吽像は枝を伸ばした植木の下に埋もれるように置かれていました。サイズはほぼ通常の大きさです。足下に収められた玉は大きく破損していました。
この石工・関根沼石は野田平業とほぼ同じ時代に(若干古い時代の可能性もありますが)狛犬を作っていた人と思われます。個人的な推測ですが、狛犬が接する平らな石の横に名前を彫り込む等平業との類似性を感じさせます。他にも、目の形や尻尾や背中の彫り、そして本名と思われる”国三”と”沼石”というい二つの名前を持つこと等、平業と何らかの接点があったのでは感じています(単なる個人的な憶測ですので全くの的外れかもしれませんが)。
この石工の人の狛犬は、優しさより極めて迫力に富んでいるように感じます。白河市内にかなり多くの狛犬を残しています、一般的にはこの意匠が多いのですが、五龍地神社の狛犬は全く異なる姿で彫られています。2018.09.10白河の石工一覧をご参照ください。 |
左に置かれた阿像と思れる狛犬、口を大きく開いて吠え掛かるような迫力を感じさせます。
子供の狛犬も押さえつけられているような印象に見えます。2018.09.10
白河の石工一覧をご参照ください。 |
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参道が九十度右に曲がる先に杉木立に覆われた神域が小山の上に広がっています。
ただ一人静寂の中に佇んでいます。2018.09.10 |
小山の上の社でお詣りをさせてもらいました。私の好みが全て揃った清冽な社が今日の狛犬巡りで最初に出迎えてくれた事は幸運でした。2018.09.10 |
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根渡神社住所:白河市泉田池ノ上99。
白河市小田川欠下の八幡神社を目指して、カーナビに導かれながら4号線を堂平まで来ました。堂平で旧奥州街道の分岐を左に、大きな家が立ち並ぶ旧小田川宿に入ります。芭蕉と曽良のたどった道かもしれません。グーグル・マップ調べておいた根渡神社の道だと知れました。
集落の途中で右に曲がると先に4号線が見えます。左に根渡神社の石柱と狛犬が見えました。目的の八幡神社の途中で3番目に訪れるつもりの根渡神社に着きました。車は境内に入れられないので出来る限り邪魔にならないように道路の広目の所に止めさせて貰いました。2018.09.10
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鳥居は狛犬の後ろにありました。石段の先に綺麗な拝殿が望まれます。2018.09.10 |
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白河市泉田・根渡神社狛犬・昭和13年(1938年)・石工 関根沼石 |
右に置かれた狛犬で、口の明き方が左の狛犬より大きく感じますので阿像ではないかと推測されます。
今見てきたばかりの庭渡神社の狛犬と同じ関根沼石の作です。庭渡神社の狛犬より8年後の作品となりますが、洗練された造形に見えます。
石工が意図的に若干の変化を求めたのか、依頼主の氏子の人々の要望かは判断がつきませんがシャープな作りに見えます。白河の石工一覧をご参照ください。
2018.09.10 |
右の阿像から吽像を写しています。人家の並ぶ集落の中に鎮座する神社です。関根沼石の特徴である、躍動する表情豊かな狛犬の姿が光の中に浮かんでいます。2018.09.10 |
左に置かれた吽像と思われますが、口の開きがそれにしては大きめに見えます。それでも右に置かれた狛犬より若干開きが小さいので吽像と推測しました。
足下に彫られた子供の狛犬もかなり荒々しい印象に見えます。2018.09.10 |
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昭和13年の年号と、白河市の地名のカラメ(搦目)と石工・関根沼石の彫りが見えます。十一号の文字は狛犬のサイズを表すのではないかと推測しています。2018.09.10 |
静かな社でお参りをさせてもらってから参道を下ります。杉木立で囲まれた薄暗い参道の先には陽の光が満ちています。陰から陽へと立ち戻る事になります。2018.09.10 |
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欠下の八幡神社はカーナビに従ってやってきましたが、果たして車が通れるかと案じるほどのかなり細い道を示します。怖いのでそれを避けて太い道を進むので、中々ゴールに近づけません。
やっとゴールに近づいてくると右手に写真の八雲神社が有りました。狛犬は居ないようです。進行方向の30m程の丁字路の先に狛犬が置かれた神社が見えます、目的の八幡神社です。2018.09.10 |
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車は神社の前のスペースに止める事ができました。道路の脇に狛犬と鳥居と拝殿がかたまっています。参拝には大変便利な神社です。私には目的の狛犬が目の前にあるので探す手間が省けて助かります。狛犬はかなり古そうな感じです。2018.09.10
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八幡神社狛犬・石工 室根x助・大正6年(1917年) |
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右に置かれた狛犬、口を開いた阿像と思われます。中々繊細な彫りの狛犬、大きさはやや小型です。
足下には籠彫りの玉を収めています。100年の年月を厳しい北国の風雪の下に身をさらして来たことを思えば、玉が破損せずに残っている事は珍しい事例と言えます。
2018.09.10 |
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阿像から吽像を写しています。当時の狛犬としてはかなり良い彫りに見えます。 |
左に置かれた吽像、バランとしては阿像よりまとまりがあるように見えます。子供を足下に置いた所謂”子どり”言われる意匠です。
白河近辺では大正の狛犬はかなり古い時代の作品になります。良好な状態で良く残されて居たものです。
会津街道からも奥州街道からも離れたこの地で、想像以上の良い狛犬に巡り合うことが出来ました。2018.09.10 |
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台座には年代の大正6年(1917年)8月の文字と”石工 室根x助”と推定される彫りが見えます(1文字判読不明)。”石奥”の文字も見られます、これは屋号ではないかと推測しています。2018.09.10 |
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お参りを済ませて入口の狛犬を見ています。その先に集会場の駐車場が見えます。その②に続く。2018.09.10
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