狛犬を訪ねて№43・福島県白河市から鮫川村の狛犬② ①へ  
鮫川村・八幡神社狛犬・昭和11年(1936年)・野田平業 作平業38歳石像()無断転載

狛犬を訪ねて 狛犬を訪ねてマップ 狛犬を訪ねての石工 狛犬スライド・一覧表

 狛犬を訪ねて№42・白河市~鮫川村の狛犬 ①

高原の村の紅葉を見に訪れた翌日、確かめたいことがあり鮫川村の八幡神社を訪ねる事にしました。白河市の彫刻師・野田平業の狛犬が作られた年月を知る為です。2015年10月27日に八幡神社の平業の狛犬を訪ねた折、奉納の年月日を確認する事が出来ずにずっと心に引っ掛かっていました。

それだけの為に出掛けるにはかなり遠くついつい今日まで放置してしていました。今回途中の白河市借宿の農産直売所でのトマトとキュウリの買い出しの折りに思い切って鮫川村を訪ねる事にしました。2021.11.09

石川郡・東白川郡・茨城県・田村郡周辺の狛犬マップ №43掲載地も隣接するので掲載しました

狛犬を訪ねて№43(掲載部マップ・マーク)・福島県白河市から鮫川村の狛犬
白河市・鹿島神社浅川町・白山比羊(しらやまひめ)神社
浅川町・熊野神社鮫川村・諏訪神社鮫川村・八幡神社

狛犬を訪ねて№42(掲載部マップ・マーク)・福島県小野町の狛犬

塩竈神社小野小町生誕の地上羽出庭諏訪神社

狛犬を訪ねて№41(掲載部マップ・マーク)・福島県石川町~田村市の狛犬
①・ 石川町 
八幡神社八幡宮八幡神社石川町母畑東・八幡神社⇒玉川村・千五沢都々古別神社
②・田村市 宮ノ前・宇佐神社⇒滝根町・八幡神社
③・田村市 滝根町・菅谷神社大越町・子守神社
④・田村市 大越町・見渡神社大越町・上川神社

2021.11.09

左画像のスライド(クリックするとスライドのページに移動します)と③狛犬を訪ねて・区分マップ石川郡・東白川郡の狛犬掲載一覧マップをご参照ください。2021.11.09

次の浅川町の熊野神社へ向かって心地良い畑の田圃の中を車で進んでいます。道路と並行して長く続く小山の連なりが紅葉していました。

2021.11.09

浅川町・熊野神社

熊野神社住所:福島県石川郡浅川町大草浜井場。カーナビに従って75線・塙泉崎線を進んでいると道路からまさに神社とはこのような場所が良いなと思える田圃の連なる先に赤い鳥居と神社が小さく見えました。絵になる神社の背景は緑の森と更に続く山肌です。2021.11.09

入り口の赤いの鳥居で一礼しながら静かな拝殿でどのような狛犬に出会えるかが楽しみです。小雨の落ちる中、心地良い参道を緩やかに登りながら旅の願いが叶う事を心の中で祈りました。2021.11.09

集落の氏子の方々が護持する社は飾り気のないそれだけに清冽な佇まいで木立ちの中に鎮座していました。東北地方を襲った未曾有の大地震の影響と思われるますが、石の鳥居の一部が欠落して右の狛犬も破損したと思われます。2021.11.09
浅川町・熊野神社狛犬・昭和9年(1934年)

小雨がレンズを濡らす中で狛犬を見させて貰いました。極めて猛々しい表情と生命感を感じさせてくれる姿を楽しく鑑賞しました。社の境内に生命が宿った気配が漂うようでした。

この厳しい表情なら社を護持するに十分な顔つきだと印象に残る石像との出会いを楽しみました。

左に置かれていますが子取りの意匠の阿像と推測されます。東北地方を襲った大地震で右に置かれたと思われる吽像は残念ながら破損したのではと推測しました。2021.11.09

昭和9年の年号が見られますが、石工の人の名前が見つかりませんでした。ただ、この迫力ある狛犬を見た時直ぐにいつか見た事があると記憶を辿りました。2021年1月6日、参拝参拝させて貰った塙町・天神神社の狛犬と極めて類似しています。塙町天神神社狛犬が奉納された昭和10年(1935年)の年号(諏訪神社昭和9年)や力漲る彫りなどが極めて近くほぼ同じ石工の人でないかと思いました。嬉しい邂逅です。

個人的な推測ですが、厳しい表情の狛犬を彫る石工の人では白河市カラメ(搦目)の関根国三(沼石)が年代的にも思い当たる一人です。ただ、眼球の彫りや縦長の顔の作りなどが少し異なるようにも思っています。残念ながら推定は違っているかもしれないとも思っています。2021.11.09は

昭和8年(1933)12月23日、平成天皇のお誕生を祝い翌昭和9年に奉納された狛犬のようです。2021.11.09は

田圃の広がる緩やかな斜面の上に鎮座する神社からは穏やかな紅葉の風景が広がっています。レンズに水滴が落ちて時折画像がぼやけて写ります。

2021.11.09

参拝を済ませて車に戻りました。心の落ち着く素晴らしい神社の佇まいを見ながら最後に頭を垂れて次の鮫川村の八幡神社に向かいました。2021.11.09

鮫川村の八幡神社向かう道からは小雨が降る中靄で覆われた紅葉の小山の連なりが続きます。懐かしい風景です。2021.11.09

鮫川村赤坂・諏訪神社 1回目
諏訪神社住所:福島県東白川郡鮫川村赤坂西野中153。鮫川村の中心部に鎮座する八幡神社を目指してカーナビに従って車を進めていると、道路脇にもみ殻の大きな山が見えました。以前訪れた折りの記憶が蘇ります。かなりユニークな狛犬が奉納された諏訪神社です。道路の膨らみに車を止めさせて貰ってから参拝をさせて貰う事にしました。2021.11.09
拝殿まで一直線に上る石段の参道の中ほどに狛犬が奉納されています。2021.11.09
氏子の方々が暮らす集落が眼下に広がる小高い境内で参拝をさせて貰いました。山に囲まれた中に田圃が広がっています、その脇には小さな沢が流れて絵に描いたような日本の懐かしい風景が見えます。2021.11.09
鮫川村・諏訪神社狛犬 明治31年(1898年)

右に置かれた阿像の顔には笑っているのではと思われる表情を感じてしまいます。一般的には厳しい表情が多いのですが、もしかして笑っているとしたら、そうではなくてもこれはかなりユニークな表情の石像です。

玉取りの意匠でその玉が破損したのではないかと推測しています。2021.11.09

右の阿像の後ろから吽像を写しました。私にはいつもの事ですが静かな神域の中で、二つの狛犬の辺りだけにはリアルな生き物の息吹が感じられます。2021.11.09
左に置かれた吽像は子取りの意匠でした。細部にも行き届いた彫りが施された表現力に富んだ石像だと感じました。2021.11.09
今回台座を調べる事を忘れて石工名や奉納された年月日の画像がありません。前回訪問時の画像を使用しました。明治31年(1898年)の奉納だとすると既に100年以上の年月を耐えた石像と言う事になります、私がこの辺りで見た狛犬の中でも古い時代に彫られたことになります。2021.11.09
参拝を済ませて境内の入り口に戻ってきました。頭を垂れてから次の八幡神社に向かいます。2021.11.09
鮫川村八幡神社への道筋の紅葉

鮫川村の中心部に鎮座する八幡神社を目指してカーナビに従って走っているとどこかで道を違ったようで山道に入ってしまったようです。

お陰で紅葉を楽しむことが出来ました。2021.11.09

緩やかない続く山道からは穏やかな紅葉の風景が目に飛び込んできて歓声を上げています。2021.11.09
自然の森が作り出す紅葉の穏やかな色合いが私の好みにあいます。2021.11.09
集落の後ろの山が美しく紅葉していました。細い山道の脇に車を停めてシャッターを押しました。2021.11.09
鮫川村・八幡神社  一回目
鮫川村八幡神社住所: 東白川郡鮫川村赤坂中野道少田162。神社は鮫川村の神社の密集した中心部に鎮座しています。今回はグーグル・マップで拝殿まで車の道が続いているように見えたので小学校への道を進んでみました。道が違ったのか行き止まりとなり戻る事になりました。鳥居の下の道路が大きく膨らんだ場所に止めさせて貰って今回は狛犬だけを見させて貰いました。拝殿で参拝をしなかったのは今回が始めてでした。阿像の尻尾の下の台座に”白河横町・彫刻師・野田平業”の文字の彫りが見られます。2021.11.09

道路から石段が続いています、拝殿の近くまで登り出のある石段が続いている事を思い出しました。

拝殿までの道がかなり長く山を緩やかに上り見晴らしを楽しみながら楽しい参道なのですが、今回は諦めて初期の目的であるこの野田平業の狛犬の年代を確認する事にしました。2021.11.09

鮫川村・八幡神社狛犬・昭和11年(1936年)・野田平業 作 平業38歳石像

右に置かれた阿像、前回この狛犬を見たのは2015年10月27日、6年前の事になりますがやはり動きを感じさせる見応えのある狛犬だと再確認しました。

子取りの意匠の阿像の体を覆う毛の透かし彫りが美しい造形を作り出しています。2021.11.09

右側に置かれた阿像から左の吽像を写しています。体の輪郭を覆う曲線状の美しい多くの毛の彫りが石像の立体感と神域への広がりを感じさせてくれます。2021.11.09

左の吽像は玉取りの意匠ですが、平業の得意とする篭彫りが美しくかつ一際大きな玉が彫り込まれています。気候が若干穏やかなのか破損もせずに美しい形を保っている事は嬉しい事です。2021.11.09

台座を何度か見ましたが年号を見つける事が出来ずに焦りました。奉納した氏子の人達の名前が刻まれた石板の最後に奉納された昭和11年(1936年)の文字と”石工 石井政市郎”見つけて安堵しました。野田平業の彫った鮫川村八幡神社の狛犬の年月日を知るという今回の旅の目的が何とか叶える事が出来ました。

”石工 石井政市郎”と刻まれた石工の人は台座等の作業を行ったと思われます。平業が狛犬を彫り、地元の石工の人が台座を作る例は時折目にする組み合わせです。

下記の白河市南湖神社の野田平業の狛犬より新しい石像ではないかと言う推測が合っている事が確認できました。
1922年 大正11年 24歳 白河市南湖神社狛犬(石材彫刻師 野田平業謹刻)2021.11.09

今日は時間が遅いので残念ながら拝殿で参拝をする事が叶いません。狛犬の間に続く石段を少し登ります。巨大の2本の杉の間を抜けて更に登りました。

杉の間から氏子の方々の暮らす家並みが見えます。2021.11.09

2021.11.09

更に続く参道の両側は紅葉が見えます。残念ながら今回はここで戻る事にしました。

氏子の方々が守る神域の中に鎮座する社まで続く参道を歩きながら心に入ってくる静寂、冷気、緑等に癒されながら辿り着いた拝殿で参拝をする事で私の旅は完結します。それは短くも心を癒してくれる深い心の旅です。

ただ狛犬を見るだけで戻る事は、下世話な例えですがご馳走を手前でお預けを食ったようで誠に残念ですが今回だけは諦めて県境の裏に戻る事にしました。2021.11.09

鮫川村・八幡神社の白河市の彫刻師・野田平業の狛犬を訪ねる途中、思いもやらない白河市鹿島神社の小松寅吉の狛犬に出会う幸運に巡り合いました。心休まる穏やかな集落の紅葉にも心を癒された旅でした。2021.11.09

02/06/2022
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