狛犬を訪ねてbVの@須賀川市の狛犬 A二つの鹿島神社 B鮫川村 

↑須賀川市・保土原神社・小林和平狛犬阿像・昭和6年

2015年10月26日と27日、久しぶりに県境の村の近くの狛犬を見に出かけました。JA直売所で野菜を買うのが大きな目的で、その行き返りの時間を利用して静かな社を訪れ楽しい時間を満喫することが出来ました。26日、須賀川市、27日は鮫川村を訪ねました。尚、須賀川市はご存知のごとく芭蕉の奥の細道の舞台の一つで、狛犬巡りの途中に芭蕉の足跡と幾度か交差することになります。スライド2015.10.26   
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グーグル・マップ訪問地点明細(地図のポイント表示マークは色分けされています)
  各回のホーム・ページ見出し名一覧 実施期間
第1回 @関の城下町 A小峰城と金毘羅神社 B借宿・羽黒神社 2015.6.29〜30
第2回 @中島村周辺 B白河の関周辺 B浅川町周辺 2015.7.13〜14
第3回 @西郷村~白河市 A国津神社・羽黒神社 B鐘鋳神社と貫秀寺

2015.7.27~28

第4回 @白河市大信 A白河市近津神社他 B二つの角折神社

2015.8.17〜18

第5回 @西郷村4つの社 A石川町八幡神社他 B小松布孝と小林和平 2015.9.7〜8
第6回 @西郷村から白河市 A白河大信から天栄村 B浅川町 C棚倉町 2015.9.28〜9
  第7回 @須賀川市       2015.10.26〜7
須賀川市・村社・保土原神社・小林和平狛犬・昭和6年(1931年)

カーナビに住所を入れておくと神社鳥居と狛犬の横を通るので、かなり分かりやすい場所にあります。車は鳥居のスペースに駐車できます。

交通量の多い道路から大きな迫力ある小林和平の飛び狛が目に入るでしょう。2015.10.26

保土原神社住所:福島県須賀川市保土原上屋敷30。県道289号線にぶつかる道の脇にあります。

狛犬の間を通り過ぎると鳥居があり、その先に木立に囲まれた参道が続きます。

小林和平狛犬・阿像・昭和6年

かなり大型の狛犬です。高い台座の上に置かれている事もあり迫力があります。阿像はボタンの花と思われるものが彫り込まれています。2015.10.26

強い秋の日差しが和平の狛犬を照らしているのでコントラストが強すぎて、下手な私には綺麗に写すことが出来ません。2015.10.26

小林和平狛犬・吽像・昭和6年

和平の吽像の顔の表情は目がくるっとして親しみを感じる表情です、個人的な感想はいつも何処か人なっこい狛犬に見えます。

この吽像にはお腹の下にじゃれ合う2頭の子供と顔の下に見上げる一頭、合計3頭の子供の狛犬が彫り込まれています。

 

子供をあやすような吽像、光が強いため下手くそな私では子供の表情を上手く撮る事が出来ません。2015.10.26
お腹の下でじゃれあう2頭の子供、石川町の石都都古和気神社の意匠に微妙に似ています。2015.10.26
台座に彫られた由来の部分を撮影しました。
薄い彫り込みですが石工”小林和平”の名前が認められます。

地元出身の”保土原屋”さんという材木屋さんが昭和6年に奉納したようです。2015.10.26

薄暗い杉木立の参道を歩いて社にやってきました。そこだけが太陽の光が差してスポット・ライトが当った様に明るくなっています。

本殿でお参りをして次の牡丹園に向かうことにします。2015.10.26

 
那須賀川市・牡丹園・石工 小松寅吉・・スライド
須賀川牡丹園住所:福島県須賀川市牡丹園80-1・電話0248-73-2422。場所はカーナビに入れるだけで簡単に分かります。牡丹が咲いていない時は無料で入場できます。無料の駐車場があります。これが牡丹園の入り口です。

現在は牡丹が咲いていないので入場が無料です。今の季節はさすが場内は閑散としています。

なお、狛犬等の案内の地図は見当たらないので私は探すのに大変苦労しました。場内で作業をしていた大変親切な係りの人が教えてくれたので何とか見つけることが出来ました。

入り口を入ったらほぼ真っすぐに南口という方向に約400m程進みます。突き当りの手前の右側に、昭和天皇行幸の歌碑の石塔があります。@そこに狛犬が一対。A20m程左前に小さな社・八幡神社、そこに狛犬が一頭。B入り口方向に20m程戻ると小さな池。その脇に小松寅吉の石像。以上3か所に石像があります。2015.10.26

@行幸記念の石像脇の狛犬一対・右側の狛犬

この石塔が進行方向の右側に見えます。昭和天皇行幸の折の記念の歌碑のようです。

歌碑の左右に狛犬が一対置かれているのが見えます。台座が無い事、木が覆いかぶさっていること、鎖で近づけないことなどからはっきりと見ることは出来ませんでした。

歌碑の右側に置かれている迫力と動きのある狛犬です。下を向いているので表情がはっきりとは見えません。阿吽像のどちらかを判断することが出来ませんが2頭の子供を見ている事から吽像に見えます。

 

2頭のじゃれ合う子供を振り返っているように見えます。これだけの狛犬が地面に直接置かれている事が大変不思議な事です。

神社でもないところにあることから、もしかするとどこかにあった狛犬を移動したものかもしれない等と想像しています。

後方から見てみました。素人の観察ですが極めて表現が豊かな良く彫れた狛犬に見えます。私にはインパクトが強くどうも普通の狛犬には見えません。
 
@行幸記念の石像脇の狛犬一対・左側の狛犬

歌碑の左側に置かれた狛犬です。木の陰になってはっきり見ることが出来ません。子供の狛犬らしきものが見えるのでこちらも吽像なのかもしれません。残念ながら石像に近づくことが出来ないのではっきりと確認が出来ません。2015.10.26

後ろから左の狛犬を見ていますがどうなっているのかが判然としません。2015.10.26
 
狛犬の場所が分からずあちらこちらを探しました。このケヤキの巨木も何度か通りましたが狛犬は何処にも見当たりませんでした。稲荷神社も探しましたが狛犬は見つかりません。2015.10.26
   
B小松寅吉作・アマノウズメノ命

親切な作業員の人に教えられた池の脇の石像を見つけました。

寅吉の迫力あるアメノウズメノ命と鶏の石像です。これには説明板が付いていました 。優し気なアメノウズメノ命、対照的に大きな鶏が勇壮で力強い姿に表現されているように見えます。やはり寅吉の石像には動きと力が感じられます。2015.10.26

説明を読むとこの石像は社などに奉納されたものではないようです。 2015.10.26

アメノウズメノ命の衣装の彫りなどは流石に寅吉の作品だと思いました。硬質な石の塊から、風になびくが如き柔らかな布の動きを彫り出す技量はやはり寅吉だと見惚れてしまいました。

鶏の毛の彫りも寅吉らしく極めて繊細で、力を抜いた彫りは微塵も見られません。固い石から生命を持つ生き物を生み出したような造形に感じました。2015.09.28

A八幡神社狛犬

寅吉のアメノウズメノ命の石像をあちらこちらから見ながら写真を撮っていると、親切な作業員の方が又やってきて八幡神社まで案内してくれました。

小さな社の左側に狛犬が一頭奉納されていました。台座も無しで斜面に居るのでちゃんと見るのに難儀をしました。撮影2015.10.26

小さな社で頭を垂れて祈った後少し池の方を散策してみました。紅葉が水面に映りこんでいます。誰も居ない静かな池の周りですが、牡丹の咲くころはさぞかし賑やかなのでしょう。紅葉を照らす太陽の光が弱くなりました、秋の日暮れが近いような気配です。日暮れ前に県境の村に帰らなくてはなりません、先を急ぐことにします。撮影2015.10.26

 
須賀川市・十念寺・狛犬 石工 忠吉  奥の細道・十念寺
十念寺住所:須賀川市池上町101

税務署などのある須賀川市の住宅密集地にあります。参詣客用の駐車場が十念寺の左側にあります。

十念寺は芭蕉縁のお寺の一つです。奥の細道の旅の途中で須賀川に逗留、その折この十念寺を訪ねています。それは元禄2年(1689年)6月15日(新暦)の事です。芭蕉の十念寺訪問については別冊・奥の細道をご覧ください。撮影2015.10.26

 

安政二年(1955年)須賀川の女流俳人・市原多代女によって建てられた芭蕉の句碑。背丈より高い自然石に彫られた趣のある句碑です。別冊・奥の細道より転載。

”風流のはじめや 奥の田植え唄”

樹齢500年と推定されるイチイの木が境内にあります。芭蕉も目にしたのでしょうか。
 
十念寺の左にお寺の作りとよく似た小さな神社があります。手入れの行き届いた美しい社です。
 
十念寺・狛犬阿像・石工 忠吉

秋の日差しが随分傾いてきたようです。残光を全身いっぱいに浴びた狛犬はあたりの背景から浮き出したように見えます。

彫りのしっかりした狛犬です。

阿像の台座に、安政5年(戊午)(西暦1858年)の年号と石工・忠吉の名前が彫られています。 撮影2015.10.26

一方で、吽像の台座には、阿像に彫られた年号と石工の名前に加えて、”明治17年(1884年)甲申”と彫られているようです。吽像だけは明治17年に彫られたのか、その年に改修が行われたのかも知れません。私の推測ですので違っているかもしれません。
十念寺・狛犬吽像・石工 忠吉

太陽の光と木の影が覆っているので上手く撮影ができませんでした。吽像の台座には安政5年の年号と”明治17年(1884年)甲申”の年号が彫られています。

石工は阿像と同じ忠吉です。中々手慣れた彫りに見えます。 撮影2015.10.26

 

吽像から阿像を眺めています。辺りには家が建て込んでいますが此処だけは静寂です。 撮影2015.10.26
   
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