今年も隅田川に桜が咲く季節がやって来ました。隅田川を中山道から海までの物見遊山のジョギングには絶好の時期です。今回は少し膝が不調で中々回復しないのでどうしたものかと随分迷いましが、２０１５年から此処まで毎春続けてきた楽しみを中断する事が怖くて出かける事にしました。

たまたま、浅草に住む後輩に話したところ是非途中から同行したいと言う事で、最後の迷いを振り切る事が出来ました。更にこの後輩と私の間の年齢の後輩がもう一人参加する事になり、今年の隅田川を海までの旅はかなり賑やかになりました。二人とは出発地点から約２１ｋｍの東武伊勢崎線の牛田駅で待ち合わせる事にしました。

9時３０分、隅田川脇の遊歩道の左岸を海を目指してジョギングを楽しみます。今日は外出には絶好の日和です。桜もまさに満開の時を迎えていました。対岸の桜並木を見ながら春爛漫の中、心は今日の天気のように晴れやかな気分に満ちています。

＊海までのジョギングを楽しんだ３月２８日の翌朝、再度戸田橋から岩淵水門迄歩くつもりで出かけましたが足の痛みが残っていたので再度戸田のサクラ土手で一日で花弁が更に開いていました。別稿に掲載申し上げました。
２０２２．０３．２８

中仙道から海まで物見遊山のジョギング２０２２年（�U）では上記リストの緑色の部分を掲載しました。

グーグル・マップから算出した距離です。隅田川の数か所で防潮堤の工事が行われていたので回り道をしていますので若干表記の距離より実際は長いかもしれませんがほゞ、概算で合計３５ｋｍ程でしょう。

１２：１７・千住大踏切通りの桜並木を歩いて隅田川にやってきました。後輩二人に是非見せたいと思っていた汐入大橋からの隅田川の景色です。

浅草に生まれ育ちそして今も暮らす一番年下の後輩にとっては、普段から車で通る馴染みの道だと分かりちょっとがっかりしました。

その後輩が歩くことの無い隅田川テラスを案内することにしました。桜並木で３人になってからは、ジョギングを止めて歩いて海まで向かうことにしています。

２０２２．０３．２８

汐入大橋を渡り右岸に向かうと汐入公園の赤色の強い桜並木が見えます。

２０２２．０３．２８

桜の季節でも平日はそれほどの人出もなく隅田川の風景を心置きなく堪能できる公園です。訪れる人もほぼ地元の方のように見えます。

２０２２．０３．２８

赤い桜の花びらの咲く桜並木の背景は隅田川、桜の頂点の列の上からはスカイツリーが青空に先端を突き立てています。

２０２２．０３．２８

１２：２５・水神大橋右岸の橋の下をくぐります。橋を左岸に渡り進むと鐘ヶ淵通りになります。この通りは隅田川稲荷神社や多門寺を訪ねた折に通りましたが、未だ商店が並ぶ昔ながらの趣を保つ好みの通りです。永井荷風の墨東奇譚の舞台は直ぐ近くです。

２０２２．０３．２８

１２：２８・出来る限り隅田川と接する隅田川テラスを辿ることにします。隅田川の流れに手が届きそうな道なのです。

２０２２．０３．２８

１２：３５・白髭橋が見えてきました。江戸時代は無かった橋ですが右に進むと吉原遊郭が、左に進めば白髭神社、まさに多くの江戸の物語が生まれた場所でもあります。

満開の墨堤の桜の浮き立つような気配がここまで伝わるような雰囲気です。

２０２２．０３．２８

１３：０７・白髭橋を超えて２００ｍ程進んだ隅田川テラスで昼食をとることにします。浅草が近づくほどに隅田川の喧騒が辺りを包みますが、この辺りではほぼ時折地元の方々が散策に訪れる程度でゆっくりと墨堤の桜の春の気配を感じながら昼食を楽しむことができます。

今も作業船が海に向かって水面に白波を立てて進んでいきました。

２０２２．０３．２８

１３：４４・かなり人出が見られる桜橋を右岸から左岸に移ります。折角此処まで来たので後輩二人に七福神巡りの一部でも見せたいと思い三囲神社を参拝することにしました。

三囲神社は今まで見たこともないほどの参拝客でカメラのシャッターを押すことを控えることにしました。

２０２２．０３．２８

この案内板は確か三囲神社境内で見たと思うのですが記憶が定かではありません。手前の鳥居が三囲さまで後ろが牛御前だとすると隅田川左岸の上流部から見た絵になると思いまし。

牛嶋神社（牛御前）は普段通りの混雑ぶりで参拝を済ませて隣接する隅田公園を抜けます。　　

２０２２．０３．２８

１４：０７・スカイツリーの下に広がる隅田公園の桜を見ながら隅田川テラスに戻ることにしました。

２０２２．０３．２８

１４：３３・源森水門を抜け吾妻橋の交差点を過ぎて隅田川テラスに降りると人混みはすっかりなくなりました。

隅田川の川面を見ながらの快適な散策を楽しみます。蔵前橋を過ぎました。

２０２２．０３．２８

１５：０９・新大橋を過ぎて隅田川の流れが大きく膨らみます。海の近い事が実感できる場所に到着しました。

２０２２．０３．２８

１５：１８・小名木川が隅田川に合流して大きく川幅広がります。

下流部にはこれから通る清洲橋が見えます。これから萬年橋を渡る事にします。

２０２２．０３．２８

二人の後輩には折角小名木川の萬年橋を渡るので藤沢周平の”橋ものがたり”の中の”約束”を読んでくることを勧めました。なんと二人して時間がないのか一人は単行本、一人は本格的な装丁の本を買って持ってきていました。いくら何でも海に向かって歩いてい居る今、読む時間は無いので粗筋を話してあげました。

幼馴染の幸助とお蝶が５年後にこの萬年橋で会うことを約束するのですが、長い歳月は二人に大きな試練を与えます。最後に、お蝶が冬木町の長屋に訪ねてきた幸助の話に嬉し涙を流しながら大きな声で泣く姿がはっきりと目に浮かんできます。私には萬年橋と隅田川のプレゼントに思えます。

そして何の脈絡もないのですが、この地は芭蕉と赤穂浪士の足跡の残る地です、私には目をつぶるとその折の光景が浮かんでくるようです。まさに江戸の物語の場所なのです。２０２２．０３．２８

１５：２０・芭蕉稲荷で手を合わせながら無事海まで３人で行きつけることをお願いしました。

２０２２．０３．２８

１５：２１・小名木川と隅田川の合流地点にある芭蕉記念館分室に行ってみましたが月曜日は休館日で扉が閉まっていました。赤穂浪士ゆかりの地の案内板が立っていました。

２０２２．０３．２８

１５：３７・永代橋の近くにやってきました、月島の高層ビルが目に入りました。

此処までくれば何とか海まで行けそうです。

２０２２．０３．２８

１５：４２・とうとう最終目的地の月島が目の目です。右が隅田川、左に晴海運河、眼前の広大な景色はここが何処か異国の地のように見えます。

ただ、この林立する高層ビルの後方に鎮座する住吉神社を囲むようにかっての東京の街の趣を残す佃の街が残っています。

２０２２．０３．２８

１５：４３・大島川に掛かる巽橋を渡ります。更に大横川に掛かる橋を渡り越中島公園に向かいます。大島川の桜並木は満開です。

２０２２．０３．２８

１５：５５・越中島公園入口に白い花弁の桜が満開でした。

２０２２．０３．２８

１５：５７・晴海運河と隅田川に囲まれた越中島公園は散策する人達もほぼ地元の方のように見えます。広大な景色を堪能するに適した素晴らしい見晴らしの穏やかな雰囲気の公園です。

２０２２．０３．２８

１５：５６・右には隅田川に掛かる特異な作りの中央大橋が見えます。月島の突端部が右に墨田川左に晴海運河と流れを二分しています。

２０２０．０３．２４

１５：５９・越中島公園から東京とは思えない広大な風景を堪能しながら月島へと橋を渡ります。此処まで来ると何としても３人で隅田川の先端までたどり着きたいと言う思いが募り写真を撮る事を忘れてしまいました。

２０２０．０３．２４

１６：４５・月島の突端にある豊洲水産埠頭を目指して最後の新鳥橋を渡ります。この橋は中山道から海までのジョギングの最後に訪れる勝どき湯のある場所です。

幾度か通った道ですが今まで全く気付きませんでしたが十返舎一九の墓との標識が清澄通りの脇に見えました。

２０２０．０３．２４

案内板横に墓石のような石塔が見られますがこれが一九の墓かどうか浅学の為に分かりません。

２０２０．０３．２４

此方の石柱にははっきりと”十返舎一九”の文字が見られますがお墓のようには見えません。

２０２０．０３．２４

１６：５９・隅田川が海に流れ込む豊海水産埠頭に三人揃って無事到着しました。前方にはレンボーブリッジが望まれます。

私一人での出発が約６時３３分、約１０時間２０分程の所要時間になりました。後輩二人と千住の桜並木で出会ったのは１１時５０分、これ以降は歩きとなりましたが昼食の休憩を含めて７時間程の行程と言う事になります。

桜満開の中、穏やかな晴天に恵まれた絶好の日和でした。２０２０．０３．２４

豊海水産埠頭から更に隅田川方向を見ると新橋駅方向の湾岸にビル群が立ち並ぶ風景が桟橋の向こうに望まれます。右端のビルの下に見える緑の森は浜離宮と思われます。

２０２０．０３．２４

１７：１７・二人の後輩は来合わせたバスで帰宅するとの事、私一人で勝どき駅に向かう途中にある勝どき湯でジョギングの緊張と疲れをとりました。地元の方々と一緒に浸かる湯船の中で手足を大きく伸ばしながら大きな満足感を噛み締めました。

２０２０．０３．２４

今回初めて二人の後輩の同行者との隅田川の散策でしたが、何処か緊張感が心に去来する一人旅とは異なる楽しい散策となりました。興味の対象の違いや話に引き込まれたりと一人でのジョギングと異なり一定のペースを保つことが難しい点はありますが、それを上回る楽しさを感じる充実した一日でした。既に来年の春を目指しての心の準備を始めているところです。

２０２０．０３．２４