狛犬を訪ねてbP0・白河市と棚倉町の狛犬A   その@へ
 

↑棚倉町宇迦(うが)神社・野田平業狛犬・昭和2年(1927年) 29歳作品

 

棚倉町宇迦(うが)神社の狛犬の作者を台座に書かれた石工藤田亀治と記載していましたが、掲載の写真の台座に””白河町 野田平業 彫刻”の文字を見つけました。作者の部分を訂正申し上げます。白河の石工・彫刻師 野田平業をご参照ください。

 

2016年12月5日、数か月ぶりに県境の村にやってきました、日が差す空から時折時雨が落ちてきて冬を実感します。野菜の買い出しと怠けた畑仕事や、鈴なりの柿の収穫にあっという間に時間がなくなります。冷気が覆うこの辺りでは富有柿が適さないことも知らずに植えた甘柿ですが、結構食べられるのは嬉しい事です。東白川郡棚倉町棚倉風呂ケ沢66宇迦神社 ウガジンジャ

6日はJA白河のり菜庵でB級品のリンゴを大量に買い込み白河市の南湖神社に立ち寄りました。”お買い得”シールの付いたリンゴは、街では信じられない超お買い得で一袋¥300です。高価なものは考えに考えてほぼ買いませんが、お買い得の時は即断即決、開店同時に入店したので誰も手を付けていません、友人へのお土産を含めてたっぷりと買いました。6日は細倉販売所でキュウリを買い込みそのまま棚倉町を目指します。2016.12.05    狛犬トップ・ページに戻る  石川郡・東白川郡区分マップ&スライド

グーグル・マップ訪問地点明細(地図のポイント表示マークは色分けされています)
  各回のホーム・ページ見出し名一覧 実施期間
第1回 @関の城下町 A小峰城と金毘羅神社 B借宿・羽黒神社 2015.6.29〜30
第2回 @中島村周辺 B白河の関周辺 B浅川町周辺 2015.7.13〜14
第3回 @西郷村~白河市 A国津神社・羽黒神社 B鐘鋳神社と貫秀寺

2015.7.27~28

第4回 @白河市大信 A白河市近津神社他 B二つの角折神社

2015.8.17〜18

第5回 @西郷村4つの社 A石川町八幡神社他 B小松布孝と小林和平 2015.9.7〜8
第6回 @西郷村から白河市 A白河大信から天栄村 B浅川町 C棚倉町 2015.9.28〜9
第7回 @須賀川市 A白河市

B東白河郡鮫川村

2015.10.26〜7
第8回 @古殿町 B古殿八幡神社 B矢吹町八幡神社 2015.12.7〜8
第9回 @玉川村 A那須の狛犬1 B那須の狛犬2 2016.4.19
 
棚倉町・宇迦神社  スライド&区分マップ

山本不動尊から宇迦神社を探しながら棚倉町の旧道を白河・那須方面に戻ります。棚倉町は城下町の雰囲気が感じられ、由緒ありげなお菓子屋さん等が多く見られました。次回は幾つかに立ち寄ってみたいと思います。2016.12.06

 

野田平業の狛犬スライド作品一覧

東白川郡・棚倉町スライド ボタンでスピード、BGM等が任意に変更・設定できます。

白河市・棚倉町狛犬一覧とマップはこちらです。

 
 

宇迦神社(ウガジンジャ)住所:東白川郡棚倉町棚倉風呂ケ沢66 。神社の正確な番地が分からず風呂ケ沢だけを入力しカーナビに従って行くと前回と同じく赤館旅館という山の方の宿に行ってしまいました。

目印として、風呂ケ沢3・入野宿市川屋と言う旅館の住所を入れたほうが良いかもしれません。旧道から10m程中に鳥居があるので見過ごす恐れがあります。更に車が鳥居の前に2台程止められるのかもしれませんが、一部がどこかの会社の敷地に掛かるらしく注意書きが書いてありました。当日は工事の車がスペースを塞いでいたので、少し脇道を進み左側の空き地に車を止め、念の為に家人たちを残して私だけで狛犬を見に行きました。 2016.12.05 

 

大急ぎで狛犬を目指しました。入口の鳥居に続いて二の鳥居と随身門がありました。両側には社を守る木像が安置されています。棚倉町内の馬場都都古別神社ハ槻・都都古別神社 でも単なる楼門ではなく両側にこのような木像が見られます。杉木立の中の長い石段を登ります。

登り切った一段目の石段から随身門を見下ろしています。高度感を感じる素晴らしい参道です。

更に右に参道が続き小さな石段を上ると広い境内と美しい社が見えてきました。そしてお目当ての狛犬も置かれていました。

冬の日暮れは素早くやってきます。日が木立の間からわずかに差し込んでいる薄暗い境内です。

 
野田平業狛犬阿像・昭和2年(1927年) 29歳作品

全体に骨太のどっしりとしたボリュームのある野田平業の石像です。平業の狛犬の特徴が良く表れています。私の印象では少し太めの狛犬の印象を受けます。

平業の特徴である精緻な籠彫りの玉が見られません。太目の足などはそれとのバランスなのかとも思いますが、個人的には本質だけの意匠はそれで好ましいと感じました。それはそれで難しい造形なのではとも思いました。

2016.12.05 

 

阿像の台座に”白河町 野田平業 彫刻”の文字が彫られています。阿像に埋め込まれた白い石には厄年と思われる”初老記念”の文字と昭和2年正月と奉納された年が刻まれています。

幾つかの文字が台座に見えますが年号などが判読できませんでした。”棚倉町・石工・藤田亀治”の名前がしっかりと残っていて、地元の棚倉の人が平業の狛犬の台座の制作や据え付けを行ったと推測されます。

それにしても平業の住む白河から東に約19kmとかなり遠い場所にあります。最も鮫川村八幡神社の平業の狛犬までは更に東に14km程離れて居ます。

2016.12.05 

夕暮れの迫る寒々とした静かな境内で2頭の狛犬だけが生き物のように対峙していました。

かなり忙しない訪問でしたので台座の文字を確りとみる事が出来ませんでした。間違っている場合もあります。2016.12.05 

 

野田平業狛犬吽像・昭和2年(1927年) 29歳作品

左に置かれた吽像と思われる狛犬の頭には角と思われるトンガリが見られます。昭和初期からそれ以前の狛犬を推測させます。吽像も阿像と同じく四肢を張った堂々とした姿が彫られています。

素人の個人的な印象ですが二つの狛犬は多少異なった印象を受けます。平業の狛犬の表情としてはかなり変わった意匠に見えます。機会を見てもっとじっくり見てみたいと思います。

2度目の訪問でやっと巡り合った狛犬は素晴らしい境内の中で迎えてくれました。2016.12.05 

社の右に石灯籠が並んでいました。説明版によれば歴代棚倉藩主が奉納した石灯籠だと書かれていました。因みに一番手前の石灯籠には、12代藩主・松平康爵・嘉永七年(一八五四年)の奉納と書かれていました。
誰もいない静かな社でお参りをしました。
狛犬の間を抜けて石段を大急ぎで下りました。薄暗い参道が終わるとあたりが明るくなります、県境の村を目指します。2016.12.05 
 
白河市・都都古和気山神社
都都古和気山神社住所:白河市表郷高木向山56。村への帰り道の289号線を白河方面に向かいます、途中道の近くにある都都古和気山神社に立ち寄ることにしました。以前訪れた素晴らしい野田平業の狛犬が見られる都々古和気神社(つつこわけ)はすぐ近くになります。白河市・狛犬一覧とマップ2016.12.06 
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◎白河市狛犬一覧とマップはこちらです。  
白河市の石工   白河市狛犬データ・ベー・ス年代別一覧表

289号線をカーナビの指示に従って左折、狭い田圃の中の道を50mも進むと棚倉と白河を結ぶJRのバス専用道路に出ます。それを横切ると正面の小山の際に鳥居が見えます。車はバス道路脇のスペースに止める事が出来ました。2016.12.06 

昭和18年の狛犬・吽像
参道の石段の右手前に、若干大型のどっしりした狛犬が高い台座の上に置かれています。辺りは杉木立が覆っています。表情がリアルで生き物の雰囲気があります。口をつぶっているようなので左に居ますが吽像と思われます。白河地方でしばしば見られる阿吽が逆になっているようです。台座の周りを探したのですが石工の人の名前は見つけられませんでした。2016.12.06 
昭和18年の狛犬・阿像
左手の狛犬は口を大きく開いているので阿像のように見えます。大変特異なデザインでこれはこれで中々いい感じです。昭和18年と言えば太平洋戦争の時期です、若者は戦争に駆り出されたのでしょうから、この狛犬を彫った石工の人はそれなりの年齢と推測されます。それにしてはモダンな感じがします。2016.12.06 
左手の阿像と推測される狛犬から右手の吽像と思われる狛犬を見ています。ただでさえ薄暗い杉木立の中なので、夕方の近い時間では見通すことは難しいようです。2016.12.06 

石段を登り切って入り口の狛犬と鳥居を見ています。結構長い石段です、これを作るのは大変な仕事だと思います。

私の好みの祈る人々が自分の為に作った清冽で簡素な社です。社でお参りをしました。2016.12.06 
車に戻る道から狛犬を振り返ってみました。何事も無かったように静まり返った神域が、杉木立の中に隠れてしまいっていました。2016.12.06 
 

白河市・厳島神社

厳島神社住所:白河市表郷堀之内十二段129-2。カーナビに従って一旦289号線に戻り棚倉方面に少し走って左折、更に左折して集落の中を進みます。左手の小高い岡の麓に鳥居が見えました。神社に沿って細い田圃の道の脇に車を止めて神社を訪れました。スペースが狭いため狛犬、鳥居が窮屈そうでした。狛犬をざっと見てから薄暗くなってきた石段を登りお参りをしました。2016.12.06 

右に置かれた厳島神社狛犬

台座の周りを探したのですが、辺りが薄暗くなってきて年号や石工の名前は見つけられませんでした。入り口に明治43年と刻まれた石柱がたっていましたが、この狛犬はそれより新しい印象を受けます。狛犬は目を赤く塗られたようです。都都古和気山神社に続き厳島神社の狛犬も大変ユニークで面白い形です。個性的な狛犬が多いのは、狛犬が彫れる程の技量の石工の人達がこの辺りにはかなり居たのではないかと思いました。お墓を建てて石碑に文字を彫るような作業より、違和感のない立体の石像作りにはかなりの高い技量が必要なのではないでしょうか。2016.12.06 

左手の阿像と推測される狛犬から右手の吽像と思われる狛犬を見ています。後にスペースが残されていないかなり狭い参道です。2016.12.06 
左手に置かれた口が開いた阿像と推測される狛犬です。こちらの石像も更に個性的です。全体のバランスは取れているようなので、違和感は感じません。大変面白い狛犬です。足下に玉があったのかもしれませんがかなり損傷しています。薄暗くなってきたので大急ぎで県境の村へ向かいます。どうもこの神社の横に駐車する広場があったようです。2016.12.06 

今回も午前11時に県境の村を出て、JA細倉販売所での野菜の購入を目的にやってきました。おまけのような神社参りと狛犬見物でしたが、大変ユニークな狛犬に出会う事が出来ました。訪れる人も居ない清冽なで静かな社で心行くまで狛犬と対面出来た楽しい旅でした。村に帰り着くころには既に冬の夜の闇が辺りを覆っていました。2016.12.06 

 
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